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2023.11.20

介護職を辞めたい理由5選!実態と対処法について解説

みなさん こんにちは

福マチ(福祉のお仕事マッチングサービス)職業紹介のコラム担当の”のりみ”です。

 

介護職を辞めたい・・・。向いてないかも・・・。介護職に関わらず仕事をしている中で、こう思うタイミングは誰しもあるでしょう。

辞めたいけどタイミングが見つけられなかったり、辞めた後の人生設計が描けず一歩踏み出せないという方も多いはず。

今回は、介護職を辞めたい時に挙げられることが多い理由を5つを解説しつつ、辞めたいと感じた時の対処法、新しい職場を見つけたい時におすすめのサービスをご紹介していきます。

 

 

介護職を辞めたい5つの理由

 

 

 

介護職に就いている方が、辞めたいと感じる時に多い理由5選をご紹介します。

 

1. 職場の人間関係が良くない

介護職に限らず、職場の人間関係は働くモチベーションに大きく影響します。

事業所の区分や規模によっても異なりますが、介護関係は介護職員・医師・栄養士・調理スタッフ・事務スタッフなど色々な職種の人たちが連携して利用者にサービスをします。


様々な立場から考えや意見が出るので、時には意見の違いによる摩擦が起こってしまうこともあるでしょう。

また、介護は事業所間での異動があまりない、従業員同士の関係が固定されやすいという傾向も。

そのため、相性によっては人間関係がストレスになることもあります。

 

 

2. 給与や労働時間などの待遇が良くない 

給与や労働時間、事業所の環境といった職場の待遇に不満がある場合も、辞めたい理由として多いです。

介護は直接支援する職種も体力勝負で、管理側も様々な作業をしなければならず業務量が多くなってしまいがちです。

人手不足が深刻な事業所の場合は、休憩中も仕事をしたり、連休が取りにくかったりするという不満も多く聞かれます。


国が主導して処遇改善加算などの制度を行っていますが、勤務年数や職種によっては給与が十分でないこともあります。

また、事業所によっては手当などがつかなかったり、残業代が安かったりするところもあり、労働時間に見合わないと感じるケースもあるようです。

 

 

3. 施設の運営や方針に不満がある

特に直接支援する職種で多いのが、「管理・経営側の方針に合わない」といった理由です。

利用者と直接対応する方にとっては、なるべく丁寧にひとりひとりに寄り添った対応をしたいですが、経営側は効率や利益といった数字が優先されてしまいがち。

また、大手企業が運営している介護施設などでは、運営会社側の力が強く現場の声が届きにくいといったこともあります。

 

双方の理解がない状態が続くと利用者へのサービスの質の低下に繋がり、また働くモチベーションを保つのが難しくなってしまいます。

 

 

4. 結婚や出産などのライフイベントによるもの 

結婚や出産、自分の家族の問題など、ライフイベントによってそれまで通りに勤務することが難しく、転職や退職あるいは非常勤勤務への切り替えなど職場や働き方を変える人も少なくありません。


介護職は土日祝日も出勤して休みは平日というシフトも多いので、結婚や出産後も働きたいと考えていても、家族と予定が合わせることができず、介護職を離れて別業種に転職せざるを得ないケースもあります。


出産や家族の介護などを理由に退職する場合、家庭の事情が落ち着いたら復職する方もいます。

 

 

5. 将来的な展望が不透明

職種によりますが、将来的なビジョンが見えにくいことを理由に、介護職を辞する選択をする人もいます。

とくに利用者を直接支援する職種は体力も必要なので、「年齢を重ねたら同じ仕事ができないかも」という不安を抱きやすいようです。

 

 

介護職そのものよりも副次的な理由が多い 

 

 

 

介護職を辞めたい理由をご紹介しましたが、仕事内容そのものよりも職場の人間関係や事業所の事情、ライフステージの変化など副次的な内容が多く見受けられました。


今、介護職に就いていて辞めたいと考えている方も、もしかしたら環境や働き方を変えることで気持ちが変化するかもしれません。

辞めたいと感じたら、まずはなぜ自分はこの仕事を辞めたいと思っているのか理由をメモ等に書き出したりして明確にしてみましょう。

たとえば「対応人数が多すぎて業務がこなせない」→「小規模な施設に転職しよう!」というように、次に自分がすべき行動を把握しやすくなります。

 

介護職=ブラックはもう古い!実は離職率も低く改善も進んでいる 

 

 

 

介護職は待遇が悪く離職率が高い、いわゆるブラックなイメージが強くあったという方も多いのではないでしょうか。

 

 

介護職の離職率は他業種と比較して高いわけではない  

 

介護職全般は離職率が高い、というイメージが根強いかもしれません。

しかし、実際のところはどうなのでしょうか?

 

公益財団法人介護労働安定センターの令和3年度「介護労働実態調査」結果の概要について によると、令和3年(2021年)の介護職の離職率は14.3%でした。

※https://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/2022r01_chousa_kekka_gaiyou_0822.pdf

 

 

 

画像引用元:令和3年度「介護労働実態調査」結果の概要について

※https://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/2022r01_chousa_kekka_gaiyou_0822.pdf

 

 

介護職の離職率はピークである平成19年の21.6%から2/3程度の水準まで低下しています。


これは、宿泊業・飲食店サービス業の25.6%、生活関連サービス業・娯楽業の22.3%、教育・学習支援業の15.4%、その他サービス業の18.7%と比較しても低く、介護業界の離職率が突出して高いわけではないことが分かります。


参考:令和3年雇用動向調査結果の概況 厚生労働省

※https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/22-2/dl/gaikyou.pdf

 

 

待遇は年々改善しつつある  

 

介護職の離職率は改善しつつある理由としては、

  • 事業所ごとの取り組み(手当の支給や労働環境の改善など)
  • 国や自治体の支援の拡充

などが考えられます。

 

 

自治体の取り組みとしては給与の改善だけではなく、

  • 介護職員向けの研修会/意見交換会の開催
  • 介護関係の養成施設(専門学校など)で学ぶ人向けの就学金貸付
  • 一度介護職から離れた人向けの復職・再就職支援
     
  • 待遇改善や品質向上などで成果を上げた事業所への奨励金支給
  • 介護職のイメージ向上や理解度を深めるためのイベント開催

など多様な支援策が自治体ごとにおこなわれています。


勤務先の労働環境が理由で退職を考えている方は、待遇の良い事業所や支援が充実した自治体の施設に転職するとよいかもしれません。

 

 

先端テクノロジーの活用にも期待  

 

介護職を対象にした支援加算制度など色々な対策によって状況が改善しつつあるものの、介護業界全体で見ると慢性的に人手不足であることは間違いありません。


業務負担の軽減として、介護ロボットやICTの導入など先端テクノロジーの活用が期待されています。

全国に先駆けて介護現場にテクノロジーを活用している北九州市介護ロボット等導入支援・普及促進センターでは、繰り返し業務や情報解析・判断、重労働負担軽減に介護ロボットやICT機器を導入しています。

同市内での介護施設での実践では、看護・介護の全体業務時間を35%、記録時間を49%短縮することに成功しました。

参考:介護を良くし、良い職場づくりを支援するテクノロジー活用 – ケアニュース by シルバー産業新聞|介護保険やシルバー市場の動向・展望など幅広い情報の専門新聞


業務効率を上げることで直接介助業務の時間を増やすことができ、利用者のQOL維持にも役立っています。


今後、先端技術導入が進むことで介護現場の労働時間の長さや、1人あたりの業務の多さが軽減され、専門業務へ専念できると期待されています。

 

 

 

こんな施設は辞めた方が良い

 

介護職と一言で言っても待遇や環境はそれぞれに異なります。

心身ともに大きな影響を受けかねないため、以下でご紹介する特徴に当てはまる施設で勤務している場合は早い段階で退職・転職を検討することをおすすめします。

 

過度なオーバーワーク

勤務している施設の労働条件があまりに悪く、またそれが続く場合はできるだけ早く転職することをおすすめします。


具体的には、以下のような特徴などが挙げられます。

  • 過度な残業
  • 休日返上の出勤が恒常的に続く
  • 残業代などが支払われない
  • ハラスメントが行われている
  • 夜勤の扱いが適切ではない(宿直扱いにする、月に10日以上夜勤をさせる)

これ以外でも、労働環境が劣悪だと感じた場合は無理して続けずに、退職を考えた方がよいでしょう。

 

医療行為をさせている  

医師免許・看護師免許を持っていない介護職員は原則医療行為は禁止されています。

  • 摘便
  • 褥瘡(床ずれ)の処置(消毒や薬の塗布等)
  • 血糖測定
  • 点滴の管理
  • インスリンの注射

といった行為は医療行為とみなされます。

ただ、血糖測定やインスリン注射は利用者本人が注射などを打つことを支援(声掛けや数値の確認など)することは許可されています。

 

 

その他、喀痰吸引や経管栄養などの行為は介護職員・介護福祉士の資格保有者であれば条件付きで実施もしくは介助ができます。

介護職員に上記の行為をさせるのは禁止されているので、上司や管理側に依頼されても断りましょう。

 

 

処遇改善加算をつけない

国の処遇改善加算制度を利用する場合は、厚生労働省が定めた要件を満たした上で申請しなければなりません。

利用したい加算の種類によって要件は異なりますが、賃金体系の整備や資質向上のための計画作成や研修の実施など事業所として色々と環境を整える必要があります。

そうした整備をしない事業所は待遇改善や人材育成に対する意識が低い可能性が高いです。

 

介護職を辞めたいと感じた時におすすめの対処法

 

 

介護職を辞めたい時の対処法としておすすめした2つの方法について見ていきましょう。

 

キャリアアップの方法を知る

介護業界でのキャリアアップは主に以下の2パターンがあります。

  • 資格取得して専門性を高める
  • 現場経験を積んでマネジメント側に回る

介護関係の資格は色々な種類がありますが、最初は取得しやすい介護職員初任者研修などを取得して、徐々に高難度の資格を取ることでキャリアアップに繋がります。


例えば、介護福祉士といった国家資格を取得することができれば、給与水準も大きく異なります。

資格取得者は一定のスキル・知識があることの証明にもなるので、転職する際にも役立つでしょう。


生活相談員など資格を取得しなくても、実務経験や研修の修了で就くことができる役職もあります。(施設によっては社会福祉士などの有資格者に限定しているところもあります。)


業界内でのステップアップの道を知り、自分にあった方法を見つけて行きましょう。

 

業種内で転職する

事業所や施設ごとに待遇や労働環境は異なります。

今勤務している施設を辞めたいと思っている方は、違う施設に転職することもひとつの方法です。


介護施設で勤務している方は即戦力として業界でのニーズも高く、より条件のよい施設で働ける可能性も十分あります。

それまでの経験や培ってきたスキルを活かしたい、という方は転職サービスを利用してみるのもおすすめです。

 

福マチでは介護職の転職をサポート!

 

事業所や施設ごとに待遇や労働環境は異なります。

今勤務している施設を辞めたいと思っている方は、違う施設に転職することもひとつの方法です。


介護施設で勤務している方は即戦力として業界でのニーズも高く、より条件のよい施設で働ける可能性も十分あります。

それまでの経験や培ってきたスキルを活かしたい、という方は転職サービスを利用してみるのもおすすめです。

 

まとめ

 

介護職を辞めたい理由として多かったのが、職場の人間関係や環境、あるいはライフイベントの影響といったものでした。

介護業界全体としては国や自治体の支援や交流会などのイベントも充実し、各事業所の改革も進みつつあることから、離職率は低下を続け給与等の待遇も良くなってきています。

それでも、事業所や施設によって待遇や環境に問題があるケースも考えられます。

「今の職場は問題があるんじゃないか」「もっと良い環境で働けるのではないか」と思っている方は、ぜひ福マチにご登録ください