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2023.7.10

高齢者の生活環境

みなさん こんにちは

福マチ(福祉のお仕事マッチングサービス)職業紹介のコラム担当の”のりみ”です。

 

 

超高齢社会である日本では、世界最高水準の高齢化率により世界に前例のないスピードで高齢化が進んでいます。そしてそれにより、当然のことながら一人暮らしの高齢者が増加しています。

 

 

そこで、今回は内閣府発表の高齢者の生活環境を簡単にまとめてみました。

 

 

◆近所づきあいの程度/一人暮らし世帯全体(男性の一人暮らし:女性の一人暮らし)

 

親しくつきあっている 全体51.0%(男性36%:女性60.9%)

あいさつ程度 全体43.9%(男性46.5%:女性32.5%)

つきあいがほとんどない 全体5.1%(男性17.4%:女性6.6%)

 

一人暮らしの男性は「つきあいがほとんどない」(17.4%)が全体平均に比べて高い割合であるのに対し、一人暮らしの女性は「親しくつきあっている」(60.9%) が高い割合となっています。

 

また、病気のときや、一人ではできない日常生活に必要な作業など困ったときに頼れる人がいない人の割合は、全体では2.4%であるのに対し、一人暮らしの男性では20.0%に上ることがわかりました。

 

この結果からもわかるように、男性は女性よりも社交的ではなく友人関係をつくるのが苦手であり、特に会社人間として働いてきた男性に関しては定年退職後に地域で孤立してしまうという印象が強いようです。

孤立死のリスクも圧倒的に男性の方が高いという説もあり、男性の高齢者をいかに社会から孤立させないようにするかが課題となっているようです。

 

 

 

 

高齢者の社会的孤立がもたらす問題点

 

  1. 生きがいの低下

誰とも会話をせず、近所づきあいをしない、困ったときに頼る人がいないといった社会から孤立した状態が長く続くと、生きがいを喪失したり、生活に不安を感じることにつながり、実際に内閣府の調べによるとその割合が高いことがわかりました。

 

  1. 消費者被害

高齢者の消費者被害の深刻な問題には、孤立化が関与している可能性があります。被害を防ぐためには、不安や悩みを相談できる場や人間関係を築くことが重要です。

 

  1. 高齢者による犯罪

犯罪を繰り返す高齢者は孤立化の傾向があります。前科や受刑歴のある人ほど、単身者が多く、親族や他人との接触機会が少ない傾向があります。孤立化を防ぐことは安全で安心な社会を築く上で重要です。

 

  1. 孤立死

東京23区内の一人暮らしの65歳以上の高齢者の自宅での死亡者数は、3年間で連続して2,000人を超えています。また、単身の居住者が誰にも看取られることなく(独)都市再生機構の賃貸住宅内で死亡したケース(自殺や他殺を除く)も増加しており、2009年度には665件、65歳以上では472件となり、全体的には約3倍、65歳以上では約4倍に増加しています。

 

 

一人暮らしの男性は女性に比べると、地域から孤立しやすい傾向があるという調査結果がありますが、社会的な活動、特にボランティア活動は目的や活動内容が明確あるため、人づきあいや近所づきあいが得意でない人でも気軽に参加しやすいと考えられています。

 

60歳以上の人への調査では、男性の方が地域活動・ボランティア活動への参加意欲が高く、女性の23.9%に対して男性は34.6%でした。活動に結びつけるためには、異性の友人を持たない傾向がある日本の高齢者に対して、男性が参加したいと思っている地域活動・ボランティア活動への参加への働きかけが有効です。

 

◆男性が参加意欲を高く表す地域活動やボランティア活動

地域の環境を美化する活動

町内会の役員・事務局活動

地域の伝統や文化を伝える活動

交通安全や犯罪防止など守る活動

 

 

 

 

  • ワンポイント:孤立死と孤独死の違い

孤立死/家族や近隣住民との関わりが希薄で、社会から孤立した状態で誰にも看取られることなく亡くなること。 SNSの普及により、対面会話よりもインターネットの中でのつながりやゲームを通じた交流が主となり、いざ助けが必要になったところで誰にも頼ることができない状況に陥ります。増加傾向にある未婚率も、孤立死の要因として挙げられます。

孤独死/何かの原因でなくなる際に誰にも看取られずに亡くなったこと。家族や新億、近隣住民とも交流はあっても亡くなる際にひとりであった場合を指します。