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2024.5.20

コンプライアンスとハラスメントについて

福マチ(福祉のお仕事マッチングサービス)職業紹介のコラム担当です。

今回はコンプライアンスとハラスメントについてご説明いたします。

 

その前にまずは、法律と倫理の違いについて解説します。

 

 

法律

法律は簡単にいうと国会がつくり条文化したものです。一国民、あるいはビジネスパーソンとして憲法、民法、刑法、会社法、労働基準法、税法など、すぐにイメージする人も多いでしょう。その他にも多くの法律がありますが、どの法律にも共通しているのが強制的な制裁力があることです。「違反すると罰則を受ける」というとよりわかりやすいでしょう。

どのような罰則を受けるかは、法律の種類や違反の内容、程度によっても異なりますが、例えば逮捕や留置、罰金、業務停止、損害賠償などがあります。

 

 

倫理

倫理は、社会的存在としての人、または企業体の間で共存する規範のことです。社会規範とも考えられ、「人としてなすべきこと」「自分もそうしたいし、他人にもすすめられるような人としての営み」とされています。法律のように条文化されておらず、倫理に反することをしても強制的な制裁力で罰せられることはありません。

 

倫・・・人の輪、人として行うべきこと

理・・・法則、法律、ことわり、ルール

倫理とは「社会生活を送る上での一般的な決まりごと」を指します。

 

 

 

 

コンプライアンスとは、法律を守るだけでなく、社会的なルールやモラルを守るという意味も含まれています。

会社で働くうえで、ルールやモラルを守ることが重要です。

 

社員は、法律だけでなく従業員規則などに記載されたルールにのっとり、働く必要があります。

コンプライアンス違反は、社員や会社のミスや不注意から起こることが多い傾向にあります。

 

コンプライアンスの目的は、不正やミスを早期に発見して、影響の有無を見極め、適切に是正することにあります。

コンプライアンス=法令遵守+倫理(行動規範など)

 

 

 

さて、ここで質問です。

 

あなたの大切な人が介護を必要な状況となった時、あなたの家に、あなたがいない時に訪問する介護職は

どんな人が理想ですか?

 

 

 

 

 

 

勿論、信頼できる人や悪いことをしない人ですよね。

 

介護や福祉サービスを提供する側として、コンプライアンスは重要になります。

コンプライアンス違反が起きる原因としては、動機と機会と正当化、この3つが揃った時に起こりやすくなります。

 

第三者のチェック機能がない、一人で業務を抱えているなどが挙げられます。心の中の天使と悪魔の戦いです。

悪魔があらわれないようにするためには、環境や体制などを整備する必要があります。

 

悪魔の心は誰でも持つ感情であり、誰にでも悪魔を選択できるけれど、 選択しないことが未来の自分を救うことにもなるのです。

まずは一人でチェックする機会や、一人で業務を抱えないようにすることが防止策につながります。

 

 

 

 

 

続いて、ハラスメントについてご紹介いたします。

ご存知の方も多いと思いますが、パワーハラスメント対策が事業主の義務となり、セクシュアルハラスメント等の防止対策も強化されました。

 

令和元年6月5日に女性の職業生活における活躍の推進等に関する法律等の一部を改正する法律が公布され、労働施策総合推進法、男女雇用機会均等法及び育児・介護休業法が改正されました(令和2年6月1日施行)。
本改正により、職場におけるパワーハラスメント防止のために、雇用管理上必要な措置を講じることが事業主の義務となります。

 

厚生労働省HP⇩

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html

 

 

ハラスメントが起こることで法的に責任を負い、人財確保が困難になった場合、企業イメージが下がり、信用と信頼を揺るがす事態を引き起こしかねません。

対処法は、まずハラスメントの種類を知っておくことです。知っておくことでより意識するようになります。

たいていのハラスメントは無意識に行われ、多くの人がハラスメントだと気づいていないことが問題なのです。

 

 

 

【ハラスメントの6つの分類】

 

1. 仕事に関するハラスメント

2. 飲食に関するハラスメント

3. 性に関するハラスメント

4. ライフステージに関するハラスメント

5. 環境に関するハラスメント

6. コミュニケーションに関するハラスメント

 

また、6つの分類の中からさらに32種類のハラスメントがあります。

 

### 1.パワーハラスメント(Power Harassment)

職場の上下関係を利用して、部下や同僚に対して精神的・身体的な苦痛を与える行為。例えば、過度な叱責や業務量の押し付けなど。

 

### 2.エンジョイハラスメント(Enjoy Harassment)

楽しみや娯楽の強要や、特定の楽しみ方を押し付ける行為。例えば、休日に職場の飲み会やイベントに参加することを強要されること。

 

### 3.時短ハラスメント(Jitan Harassment)

時短勤務や早退などの希望に対して嫌がらせを行うこと。例えば、育児や介護のための時短勤務を希望する社員に対して、不当な扱いをすること。

 

### 4.テクノロジーハラスメント(Technology Harassment)

最新のテクノロジーやITツールを使いこなせない人に対する嫌がらせ。例えば、新しいソフトウェアの使用を強要し、使いこなせないことを嘲笑すること。

 

### 5.リストラハラスメント(Restructuring Harassment)

リストラや解雇をちらつかせて心理的圧力をかける行為。例えば、「次のリストラ対象になるぞ」と脅すこと。

 

### 6.終われハラスメント(Oware Harassment)

退職や引退を強要する行為。例えば、年配の社員に対して早期退職を迫ること。

また、転職するように仕向けること。

 

### 7.アルコールハラスメント(Alcohol Harassment)

飲酒の強要や、飲酒に関連する嫌がらせ。例えば、「飲まないと人間関係が悪くなるぞ」といった圧力をかけること。

 

### 8.お菓子ハラスメント(Candy Harassment)

お菓子を職場に持ってこない、または食べない人に対する嫌がらせ。例えば、会議中にお菓子を配られ、食べないと非難されること。特定の人だけにお菓子を配ること。

 

### 9.ヌードルハラスメント(Noodle Harassment)

特定の食文化や食べ物に関する嫌がらせ。例えば、ラーメンやパスタを食べることを強要されること。

すする音などをあえて出すこと。

 

### 10.セクシャルハラスメント(Sexual Harassment)

性的な言動や行為によって相手に不快感を与える行為。例えば、性的な冗談や身体的接触をすること。

 

### 11.ジェンダーハラスメント(Gender Harassment)

性別に基づく嫌がらせ。例えば、女性だからといって雑用を押し付ける、男性だからといって強い力仕事を強要すること。

 

### 12.テクスチュアルハラスメント(Textual Harassment)

性的な内容を含むメールやメッセージを送る嫌がらせ。例えば、職場のチャットで性的な内容を送ること。

 

### 13.ラブハラスメント(Love Harassment)

恋愛感情を利用した嫌がらせ。例えば、職場での恋愛を強要し、それを断ると不利な扱いを受けること。

 

### 14.マリッジハラスメント(Marriage Harassment)

結婚に関連する嫌がらせ。例えば、「結婚しないの?」としつこく尋ね、結婚しないことを非難すること。

 

### 15.ゼクシャルハラスメント(Zexual Harassment)

結婚式に関連する嫌がらせ。例えば、結婚式の費用負担や出席を強要されること。

 

### 16.マタニティーハラスメント(Maternity Harassment)

妊娠・出産に関連する嫌がらせ。例えば、妊娠中の女性に対して不当な業務を押し付けること。

 

### 17.パタニティハラスメント(Paternity Harassment)

父親の育児参加に対する嫌がらせ。例えば、男性が育児休暇を取ることを非難すること。

 

### 18.エアコンハラスメント(Air Conditioning Harassment)

エアコンの温度設定に関する嫌がらせ。例えば、寒すぎる温度に設定し続けること。

 

### 19.告白ハラスメント(Confession Harassment)

告白の強要や拒否した場合の嫌がらせ。例えば、告白を断った相手に対して冷たい態度を取ること。

 

### 20.スメルハラスメント(Smell Harassment)

匂いに関する嫌がらせ。例えば、香水や体臭に対して過度に批判すること。

 

### 21.スモークハラスメント(Smoke Harassment)

喫煙に関する嫌がらせ。例えば、禁煙エリアでの喫煙を強要すること。

 

### 22.レイシャルハラスメント(Racial Harassment)

人種や民族に基づく嫌がらせ。例えば、人種差別的な発言や行動をすること。

 

### 23.モラルハラスメント(Moral Harassment)

精神的な嫌がらせや心理的な圧力。例えば、侮辱的な言葉を繰り返し使うこと。

 

### 24.エアーハラスメント(Air Harassment)

存在を無視することで精神的な苦痛を与える嫌がらせ。空気をよめず独りよがりの行動で回りを不快にさせること。例えば、話しかけても無視すること。自分の話や関係ない話をすること。

 

### 25.エイジハラスメント(Age Harassment)

年齢を理由にした嫌がらせ。例えば、高齢者に対して不当な扱いをすること。若い人はできるなど、年齢で区切ること。

 

### 26.カラオケハラスメント(Karaoke Harassment)

カラオケでの嫌がらせ。例えば、歌うことを強要したり、歌わないと非難すること。

 

### 27.コミュニケーションハラスメント(Communication Harassment)

コミュニケーションの取り方に関する嫌がらせ。例えば、頻繁にメールやメッセージを送ってプレッシャーをかけること。

 

### 28.セカンドハラスメント(Second Harassment)

ハラスメント被害者が訴えたことに対する嫌がらせ。例えば、ハラスメントを報告したことでさらに嫌がらせを受けること。

 

### 29.ソーシャルハラスメント(Social Harassment)

SNSやオンライン上での嫌がらせ。例えば、ネット上で誹謗中傷を行うこと。

 

### 30.パーソナルハラスメント(Personal Harassment)

個人のプライベートに関する嫌がらせ。例えば、個人的な情報を暴露すること。

 

### 31.フォトハラスメント(Photo Harassment)

写真に関する嫌がらせ。例えば、無断で写真を撮ったり、公開すること。

 

### 32.ブラッドタイプハラスメント(Blood Type Harassment)

血液型に基づく嫌がらせ。例えば、血液型による性格判断で差別すること。

 

 

 

 

これらのハラスメントは、個人の尊厳や権利を侵害し、精神的および肉体的な健康に悪影響を及ぼすことがあります。それぞれのハラスメントに対して適切に対応し、予防することが重要です。

上司だけではなく、すべての人がする側にもされる側にもなります。

まずは、ハラスメントの種類を知っておくことがハラスメント防止につながります。

 

 

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可能性ラボ URL  可能性ラボ (kanousei-lab.jp)