
■ 行政処分が過去最多に――「訪問指導」増加が影響
2024年3月5日、厚生労働省は、2023年度に行政処分を受けた介護事業所が139件に上ったと発表しました。
これは前年度より53件増加しており、過去最多となっています。
内訳は、指定取消が60件、全部停止が15件、一部停止が64件と多岐にわたります。
特に注目すべきは、処分理由のトップが「不正請求(69件)」であることに加え、
「人員基準違反(45件)」「虚偽報告(34件)」「人格尊重義務違反(29件)」といった、制度の理解不足や日々の業務運営に起因するものが多い点です。
こうした行政処分の増加には、新型コロナウイルスの影響で一時的に抑制されていた「運営指導」の訪問数が、感染状況の落ち着きとともに再開・増加したことが大きく関与していると考えられます。
行政による訪問指導の数が年々増加しており、それに伴って処分件数も増加しているのは、避けがたい流れといえるでしょう。
■ 「行政処分」は他人事ではない
行政処分は、決して一部の悪質な事業所だけが対象になるものではありません。
むしろ、「知らなかった」「確認不足だった」「忙しくて後回しにしていた」といった些細なことが、重大な処分につながるケースも少なくありません。
たとえば、「虐待」として通報された事案で、委員会の未設置や指針の形骸化により「人格尊重義務違反」として重い処分を受けたケースも存在します。
このように、行政処分の火種は身近に潜んでいます。
■ 日々の「備え」が最大の防御
行政処分を未然に防ぐためには、「運営指導」対策にとどまらず、日ごろからの備えが不可欠です。以下に、管理者として取り組むべき備えを具体的にご紹介します。
これらの取り組みを日常業務の中で仕組み化することで、「気づいたら要件を満たしていなかった」という事態を防ぐことができます。
■ 「不正請求」や「人員基準違反」は、誤認や記録漏れから
行政処分の多くを占める「不正請求」は、実際には故意でないケースも少なくありません。
たとえば、通所介護において入浴加算Ⅱを算定したが、記録の整備が不十分で後日「不正請求」と指摘された事例があります。
また、「人員基準違反」についても、
「実際は配置していたがタイムカードに漏れがあった」「有資格者と無資格者を誤って交代させていた」など
確認ミスや事務的ミスが原因となることがあります。
制度要件を正しく理解し、それを満たしていることを、記録という形で常に証明できる状態を保つことが、最大のリスク管理です。
■ 「人格尊重義務違反」は虐待事案に直結
人格尊重義務違反として処分を受けた事例の多くは、「虐待」事案が契機です。
特に、以下のような項目はチェックが必要です。
・虐待防止委員会が開催されていない
・職員への研修が実施されていない
・指針が作成されていない、または周知されていない
・通報ルートが明確でない
これらの体制不備は、直接的な虐待行為がなくとも「虐待防止体制の不備」として処分の対象になります。
さらに、体制が未整備の場合には報酬減算となるため、経営上のダメージも大きくなります。
■ 姉妹サービス「可能性ラボ」の運営指導サポートサービスができること
こうした日々の備えを現場任せにせず、専門的な視点から支援するのが「可能性ラボ」の運営指導サポートサービスです。
介護現場と行政、両方の視点を持つ専門スタッフが、以下のような支援を行っています。
これらのサポートを通じて、日常業務の中に「備え」を組み込む仕組みを整え、行政処分のリスクを最小限に抑えることが可能となります。
■ 最後に
「行政処分」は、介護サービスの質を守るための制度であると同時に、管理者の責任を問う厳しい現実でもあります。
しかし、正しく制度を理解し、日々の備えを怠らなければ、リスクを大幅に低減することができます。
可能性ラボでは、日々の現場と制度のギャップを埋める支援を通じて、事業所が安心して運営できる環境づくりをサポートしています。
ぜひ、皆さまの事業所でも「備え」を見直し、次の運営指導に備えた準備を始めてみてください。
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